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水沼貴史が語るリバプール南野拓実。
「今のメンバーで一番の適性」とは。
posted2019/12/20 20:30
text by
水沼貴史Takashi Mizunuma
photograph by
Getty Images
南野拓実のリバプール移籍が正式に決まりました。自分の力で目標の舞台に辿りついた、名誉ある移籍だと思います。
速い展開のサッカーをしていたザルツブルクの中で南野は中心にいました。リバプールでは、ハードワークとスピードがあるなかで高い技術が求められます。さらに奪われた瞬間に守備が始まるのがリバプールですから、その部分もしっかりと評価されているでしょう。
以前から注目している中で、CLであんな素晴らしいパフォーマンスをされたら、獲りますよね(笑)。昨季の欧州王者で、現在プレミアリーグで首位を走るチームから即戦力として声がかかるというのは、日本人として本当に素晴らしい。ここから、彼自身がさらに評価される選手になることは、日本代表の強化に、そして子どもたちの夢につながっていく。トップレベルのサッカーに南野がどう絡むか、楽しみですね。
今季、とても表情が良くなった。
個人的に感じていたことですが、南野は今季、とても表情が良くなったなと見ていました。おそらく、自分自身で調子が良いことを分かっていたように思います。
クラブで得点が取れていて、アシストも多い。日本代表でも立て続けに得点を奪った。クラブチームだけではなく、日本代表としての自信も彼の成長に大きく影響しているはず。「クラブの充実」と「代表の自信」、これが良い循環で回っている時期に選手は伸びるし、ビッグクラブからのオファーが届く。まさにタイミングだったんだと思います。
セレッソ大阪のトップチームに昇格した頃からよく見てきました。もちろん能力は高かったのですが、最初のうちは彼の評価基準がどこにあるのか明確にわからなかったんです。
ただ、そこからJリーグで評価を高め、海外へ渡っていく中で、ゴール前の仕事ぶりこそ「これが南野だ」と明確にわかるようになってきた。
それに加えてハードワークができて、チームのためにも動ける。そして期待されているなかで結果も出す。「やっぱり、こいつすごいんだ」と感じています。