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ロナウジーニョは裕福、マルタは?
ブラジル2大名手の少年少女時代。
posted2019/12/22 19:00
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Getty Images
ブラジル北東部のマセイオは、美しいエメラルド・グリーンの遠浅の海と砂丘のようなダイナミックなビーチで知られる人口100万人余りの地方都市だ。
この町を代表するクラブはCSAとCRBで、CRBには1987年末、ブラジル修業時代の三浦知良が在籍している。32年前にキング・カズもプレーした市最大のレイ・ペレ(キング・ペレ)スタジアムで、12月15日、元ブラジル代表(セレソン)MFロナウジーニョとブラジル女子代表のエースストライカーのマルタが出場したチャリティゲームが行なわれた。
マルタは、同じ州の内陸部の出身。ロナウジーニョはブラジル南部の出身だが、2016年、この町に自身の名を冠したフットボール・アカデミーを設立している。
このチャリティゲームは「ジョーゴ・ダ・アレグリア」(歓喜の試合)と銘打たれ、収益はマセイオ市内の福祉団体に寄付される。
ブラジルの法律でチャリティゲームでは入場料を徴収できないため、観衆は事前に2kgの米、砂糖などの食料品を持ち寄って入場券と交換していた。
すでに引退したとはいえ、ロナウジーニョの人気はすさまじく、しかもご当地選手マルタと“対決”するとあって、1万5000人を超える観衆が詰めかけた。試合前、スタジアムの周りにはダフ屋が出没し、50レアル(約1350円)前後で入場券を売っていた。
ロナウジーニョは今も超絶技巧。
告知された試合開始時刻から30分遅れの午後4時半、大歓声の中、選手たちがピッチへ姿を現わした。
ロナウジーニョが率いる白チームと、地元の人気コメディアンが率いる青チームが対戦する。両チームとも地元の現役選手、元選手、芸能人らによって構成され、女子選手もマルタを含めて3人いる。
ロナウジーニョは背番号10を兄アシスに譲り、背番号49を付けてトップ下を担う。現役時代と比べると多少腹に肉がついているが、ひどく太っているわけではなく、動きはまずまず軽快だ。得意のノールックパスを連発し、浮き球のスルーパス、強烈なカーブをかけたシュートを放って観衆を喜ばせた。