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9年間の蜜月関係はもう戻らない……。
L・エンリケとモレノの悲しい別れ。 

text by

工藤拓

工藤拓Taku Kudo

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photograph byUniphoto Press

posted2019/12/19 08:00

9年間の蜜月関係はもう戻らない……。L・エンリケとモレノの悲しい別れ。<Number Web> photograph by Uniphoto Press

ルイス・エンリケ(右)の右腕として力を発揮したロベール・モレノ。代表監督をめぐって人間関係に亀裂が入るとは……。

グアルディオラとビラノバも……。

 しかし、結局ロベールは真相を語らなかった。ルチョの就任会見から一夜明けた11月28日。彼が行った釈明会見は判然としないものだった。

「もし私が監督を続けていなかったら、ルイス・エンリケの復帰もなかっただろう。実際、(正式に監督になった後)最初に会った際、彼は『お前はやるべきことをやった。誇りに思うよ』と言ってくれた。

 2度目は私から会いに行った。彼を元気づけたかったし、復帰する意思があるなら監督の座を譲るつもりだと伝えたかったからだ。でも、彼はこう言ったんだ。『もう君が私のチームに入ることはない。他のスタッフは残すがね……』と。ショックだった。今もなぜそうなったのか分からない。この先何年経っても分かることはないだろう」

 両者の主張にはいくつかの矛盾点がある。だがそれ以降、いずれもこの件について話すことがなくなっただけに、今や真実は知りようもない。

 今回の一件を受け、ペップ・グアルディオラとティト・ビラノバの決裂を思い出した人もいるのではないだろうか。残念なことに2人は、一度壊れた関係を修復できないまま、ティトの病死という無念の結末を迎えている。

 それだけに願いたい。せめていつか、友人としての関係だけは取り戻してくれることを。たとえ二度と共に働くことがないとしても。

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