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J3昇格、今治・岡田武史の本音(上)。
「田舎のプレスリーではいけない」

posted2019/12/16 19:00

 
J3昇格、今治・岡田武史の本音(上)。「田舎のプレスリーではいけない」<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

日本サッカーの「型」を作るため、2014年11月にFC今治のオーナーに就任した岡田武史氏。

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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Shigeki Yamamoto

 2014年11月に岡田武史元日本代表監督が会長に就任したJFLのFC今治。以来、「2025年にはJ1で常時優勝争いをするチームとなり、ACLで優勝を目指す」ことを目標にしていましたが、今季、ようやくJ3昇格を決めました。
 その苦労の日々と今後のビジョンについて、スポーツライターの二宮寿朗氏が徹底取材。岡田オーナーインタビュー(前後編)、元日本代表の駒野友一×橋本英郎対談(前後編)、ゴールドマン・サックス出身の矢野将文社長インタビュー、計5本の記事を3日間連続配信でお送りします。

 岡田武史・FC今治会長の表情は、この日の曇天と同じように晴れなかった。

「うーん」と深いため息をついて考え込むような仕草をする姿がスタンドにあった。

 12月1日、JFL最終節、ラインメール青森戦。

 ホームのありがとうサービス.夢スタジアムは今シーズンのラストマッチとあって、大いににぎわっていた。

 だが結果はスコアレスドローに終わり、にぎわいを終幕の盛り上がりにはつなげられなかった。

 11月10日のFCマルヤス岡崎戦においてこのスタジアムでJ3昇格を決めてからは2分け1敗。
“JFL卒業試合”をきれいに終わらせたかったが、次に何かしらの課題を残すのも岡田らしいと言えるのかもしれない。

 感情を読み取らせない顔つきに戻して、岡田がスタジアム内に用意されたインタビュールームに入ってきた。

1年前、スタジアムは失意に暮れた。

 ちょうど1年前――。

 勝ち点3差で昇格条件の4位(かつ百年構想クラブで上位2クラブ)に届かず、超満員に膨れ上がったスタジアムは失意に暮れた。

 シーズン終了のセレモニーで岡田は、奇跡を信じたファン、サポーターに対して謝罪の言葉を述べた。結果が出なければ、自ら矢面に立とうとする。

 昇格を決めた今シーズンは、挨拶を矢野将文社長に任せた。JFL3年目にしてようやくミッションを達成した社長の報告に、場内は拍手に包まれた。

 チームのパーカーを着込んだ岡田は感慨深そうに言った。

【次ページ】 「上がれよ」ではなく「上がるぞ」。

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