フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
コストルナヤの会見の態度に疑問。
新女王誕生に思うスケーターの品格。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAsami Enomoto
posted2019/12/09 19:00
左から2位シェルバコワ、1位コストルナヤ、3位トゥルソワ。トゥルソワは愛犬のチワワ、ティナを抱えている。
トゥルソワの膝には愛犬のチワワ。
表彰式の後に行われた記者会見。中央にコストルナヤ、向かって彼女の左にシェルバコワ、右にトゥルソワが座った。
トゥルソワは、愛犬のチワワ、ティナを膝に抱いている。
「すべて予定した通りにうまくいって嬉しいです。それだけです」とコストルナヤがまずコメントした。
チャンピオンに求められる品格。
正直に言えば、会見の壇上に並んでいる3人を見て、本当にこれがシニア女子のメダリスト3人なのかと、覚めた感情が湧いてくるのを抑えるのは難しかった。
コストルナヤは膝の上に携帯電話をおいているのか、ずっと視線を下に向けたまま。質問した記者の顔をみようともせずに、コメントも木で鼻をくくったようなそっけなさである。
氷の上の演技の優雅さと、この会見での態度のあまりのギャップにたじろがされた。フランス杯ではこのような態度ではなかったが、その後何かあったのだろうか。
トゥルソワは自分の愛犬に視線を落としたまま、記者会見は上の空といった様子。
正面を向いて記者席をきちんと見渡しているのは、シェルバコワのみであった。
女子に新世代が登場し、かつてなかったレベルに到達したことはスポーツとして大切な歴史であり、本当は喜ぶべきことなのだろう。
でも特にフィギュアスケートにおいて、チャンピオンにはそれなりの品格というものが求められる。才能には責任もついて回るということを、彼女たちは誰からも教わってこなかったのではないだろうか。