フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
「ネイサンと競うのは大好き」
羽生結弦、若きライバルへの闘志。
posted2019/12/08 16:00
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Yohei Osada/AFLO SPORT
「悪くはなかったと思うんですけどね。(トウループは)力は入りすぎたかなと思っています」
SPの直後、ミックスゾーンに現れた羽生結弦は開口一番そう口にした。冒頭の4サルコウをきれいに降りながらも、コンビネーションを予定していた4トウループで着氷が乱れて単独ジャンプになるという、あまりなかったミスで97.43を手にし、2位のスタートとなった。
コーチの姿が見えないことについて聞かれると、1選手につきコーチ1名のパスしか出なく、前の週にブライアン・オーサーがカナダの選手で忙しかったので、この大会にはジスラン・ブリアンに同行を依頼。だがちょっとしたトラブルが起きて、到着が遅れていることを明かした。
「でも(ジャンプを)失敗したのは実力不足」と、コーチの不在が原因ではないことを、何度も繰り返し主張した。最後までノーミスで滑り切って110.38を手にしたネイサン・チェンに13ポイント近くの点差という予想外の位置から、フリーに挑むことになった。
4ルッツと4ループを成功させた。
男子のフリーは、現地時間12月7日午後1時過ぎから始まった。羽生は無事に到着したブリアン・コーチに見守られて、リンクの中央に出てきた。フリーはルッツとループを含む4回転を5本入れるという構成は、SP直後に決めたのだという。
『オリジン』のプログラムは、冒頭の4ループがきれいにきまり、続いた4ルッツも過去で最高と言える完璧な着氷だった。スピン、ステップを経て、4サルコウ、そして4トウループ+1オイラー+3フリップの最後の着氷が乱れて回転不足に。だが持ち直して4+2トウループを降りた。
ルッツとループを含む5度の4回転を降りて、体力を使い果たしていたのだろう。彼がもっとも得意としていた3アクセルが、1回転半になった。