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「正直、羨ましいなと…」17歳・島田麻央が語った“出られなかった五輪”…「棄権するしかない」体調不良だった世界ジュニアで支えになった“コーチの言葉”

posted2026/03/11 17:02

 
「正直、羨ましいなと…」17歳・島田麻央が語った“出られなかった五輪”…「棄権するしかない」体調不良だった世界ジュニアで支えになった“コーチの言葉”<Number Web> photograph by AFLO

世界ジュニア選手権で4連覇を達成した島田麻央(17歳)

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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 エストニア・タリンで開催された2026年世界ジュニア選手権女子は、島田麻央が優勝、初挑戦の岡万佑子が3位に入った。17歳の島田は史上初の4連覇を果たしたが、実はSPの日の夜に高熱を出し、厳しい体調で挑んだ大会だったことを試合後に告白した。

 明らかに、体調が悪そうだった。SPの翌日の公式練習には現れず、フリー当日の朝の練習はほとんどジャンプを降りなかった。直前の6分間ウォームアップでも転倒するなど、普段の彼女のようには体が動いていなかった。

不敗を保ってきたジュニア女王の“強さ”

 さらに思わぬ伏兵もいた。ノーマークだったオーストラリア代表で日本人の母を持つハナ・バスが、フリーの冒頭でまるで男子並みの大きな3アクセル+3トウループを成功させ、総合205.39の高得点を出して暫定1位に立っていた。ミスする猶予はないという緊迫した空気の中で、最終滑走の島田の演技が始まった。

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 島田はフリー「ミラクル」で、冒頭の3アクセルをきれいに着氷。3フリップ、3ルッツ+3トウループと着実に降りて行った。スピンでバランスを崩してヒヤリとしたが、その後持ち直してさらに4本の3回転ジャンプを着氷。彼女の並々ならぬ集中力が感じられる演技だった。スピンのレベル以外は大きなミスなく最後まで演技を終えると、リンク際で見守っていた濱田美栄コーチが、涙ぐんでいるのが見えた。

 フリーではバスに次いで2位だったが、総合208.91でトップを保って史上初の4連覇を果たした。過去4年間ジュニア大会で不敗を保ち、君臨してきた女王の強さを人々の前で見せてくれた。

「棄権させようと思っていた」38度以上の高熱

「前日まで棄権させようと思っていたんです。熱が高かったので」と濱田コーチが試合後に明かした。SPの終わった夜、突然発熱して38度5分まで上がったのだという。本人は会見でこう説明した。

「今日は本当にただただ滑り切るっていうことを目標に頑張った。途中でふらふらになったんですけど、滑り切ることができたことが、こうして4年間達成することにつながったので、最後まで滑り切ることができて良かったなと思います」

 棄権することは考えなかったのか。

「昨日は本当にベッドから起きられなかったので、昨日までは棄権するしかないなと思ったんですけど、今日起きた時に少し良くなっていて。でも朝練習に行ったら、曲かけの時2本目のジャンプくらいで滑れなくなってしまった。本当に迷いました」

【次ページ】 背中を押した濱田コーチの“ある言葉”

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