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5馬身差圧勝で生まれた2歳女王。
北村友一がGI3勝目、NFは17勝目。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKyodo News
posted2019/12/09 18:00
2歳女王を決定するレースで、5馬身差圧勝。レシステンシアの名前を春に聞くのが今から楽しみだ。
アーモンドアイとの共通点とは。
それでもレシステンシアは、力むことなく、楽そうに走っている。
レシステンシアが首から体半分ほど前に出たまま4コーナーを回り、最後の直線に入った。
北村が手綱をしごいてゴーサインを出すと、1完歩ごとに後続との差をひろげていく。
「けっこうなラップで来ていたので、右から左、左から右へと手前を替えてばかりいて、フワフワ走っていました。手応えはあったのですが、半信半疑という感じでした」
道中、向正面でも何度か手前を替え、3、4コーナーを「逆手前」の左手前で走った完歩もあった。また右手前に戻して4コーナーを回ると、直線入口で左手前に替えた。ラスト400mを切ったところで右、そこから8完歩ほどでまた左へと手前をスイッチしながらも、伸びて行く。
手前を替えるときは、四肢を着地させる順番を替えることになり、全身の筋肉の使い方を大きく変えることにもなる。
だから、普通は替えた瞬間、ガクッと動いて傍目にもすぐにわかるのだが、この馬はアーモンドアイと同じように、非常にスムーズにスイッチする。それもあって、北村は「フワフワ」と表現したのだろう。
ウオッカの記録をコンマ4秒更新。
1頭だけ抜け出してしまい、集中し切れなかったからそうした走りになったのかもしれないが、それでも後続を寄せつけず、2着を5馬身突き放してゴールを駆け抜けた。
「強かったです。まだ粗削りですが、十分通用するスピードを見せてくれましたし、ポテンシャルを秘めていると思います」
勝ちタイムは2歳のコースレコードの1分32秒7。2006年のウオッカの記録をコンマ4秒も更新した。
しかも、レシステンシアは、ラスト3ハロンをメンバー最速の35秒2で走り切っている。ハイペースで逃げて、終いをメンバー最速でまとめ、レコードでフィニッシュしたのだから、後ろの馬はお手上げである。