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八村塁の活躍を陰で支える凄腕代理人。
謎のベールを破って……独占レポート!
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byYukihito Taguchi
posted2019/12/15 08:00
滅多に撮影に応じることのない“ザ・エージェント(代理人)”のスナップショット。八村塁とダレン・マツバラの関係は極めて良好だ。
ドラフトの裏側で繰り広げられた情報戦!
現時点で明らかになっているのは、実際に1巡目9位で八村をドラフト指名したワシントン・ウィザーズのワークアウトには行かなかったこと(ウィザーズのトミー・シェパードGMが明らかにしている。ウィザーズ側が八村に興味を持っていることを秘密にしておきたかったとも言われている)、そして19位のサンアントニオ・スパーズにはワークアウト訪問したこと(これは、スパーズの名将グレッグ・ポポビッチ自身が明かした)である。
「彼のための計画があり、私たちはその計画を遂行した。最終的な結果にはとても満足だ。(ウィザーズは)彼にとってとてもよく合っている。開幕戦からスターターとして出場するのがその証拠だ。街も彼を歓迎している。インターナショナルな街で、彼がキャリアをスタートするにはいい環境だ」とレイニー。
「ドラフトの日には多くの選手が驚くけれど、よくも悪くもルイは驚かなかったと思う。彼はずっと何が起こるかわかっていたからね。ジェイソンも言ったように、なぜそうなるのかということを教えていたので」とマツバラ。
「これはとてもユニークな状況だからね」
代理人のもうひとつの仕事、スポンサー契約についても順調だ。
ジョーダン・ブランド、日清、Gショック、ソフトバンク、三井住友銀行、さらにNBA選手の定番、『NBA2K』(NBA公認ゲーム)や『パニーニ』(NBA公認トレーディングカード)と、そうそうたるブランド名が連なる。すべて戦略的に進められ、慎重に決められた。
「ルイに関しては、すべてが戦略的に行われた。これはとてもユニークな状況だからね」とマツバラ。
その基本にあったのが、八村がその製品を心からいいと思い、その企業との繋がりを本物だと感じられること。
「ルイと話して、彼がスポンサー企業とのパートナーシップにいい感触を持ち、その企業を信じることができ、彼らの信念、彼らがルイをどう世界に出そうとしているのかといったことを納得できなくてはいけなかった。それが彼のブランドやイメージを作るわけだからね。それが最初からの私たちの計画だった。長期的なパートナーとなるように、短期的な契約をするつもりはなかった」とレイニーも補足する。