酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
ポジション別MVP獲得数で分かる、
坂本勇人&森友哉の歴史的価値とは。
posted2019/11/29 11:50
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kyodo News
今季のNPBの最優秀選手(MVP)はパが西武の森友哉、セが巨人の坂本勇人だった。どちらも予想通り、誠に順当だったのではないか。
最優秀選手の前身である最高殊勲選手の表彰は、プロ野球が創設された翌年、1937年春シーズンに始まった。最も歴史があり、間違いなくプロ野球最高の栄誉だ。
MVP投票に感じる“傾向”とは。
運動記者クラブの記者の投票によって選出されるが、おおむね以下のような傾向がある。
・投手、野手の中から最も貢献度の高い選手を1人選ぶ
・ポストシーズン(日本シリーズやCS)の結果は考慮されない
・ペナントレースの優勝チームから選ばれることが多い
・特筆すべき成績を上げた場合は下位チームから選ばれることもある
MLBのMVPも似たようなものだが、少し違う部分もある。
・投手、野手が対象だが野手が多い。投手はサイヤング賞に回ることが多い
・ポストシーズン(ワールドシリーズやリーグ優勝シリーズなど)の結果は考慮されない
・ペナントレースの優勝チームからとは限らない
なお今季のアメリカン・リーグのMVPは、西地区4位のエンゼルスのマイク・トラウトだった。
一方でNPBの受賞者となった坂本と森は成績からして順当ではあったが、野球史を振り返れば、2人は異色の部分もある。
日本プロ野球のMVP受賞者は、1937年春からのべ154人いる。これをポジション別に分けつつ、主な選手の顔ぶれを見ていこう。