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2度目の五輪を目指す人と馬の物語。
中田晴香オーナーとエジスター。
text by
カジリョウスケRyosuke Kaji
photograph byRyosuke KAJI
posted2019/11/29 11:15
中田晴香オーナーは、最初の出会いからエジスターに特別なものを感じたという。
再び厳しい競争の舞台へ。
東京オリンピックの枠が4から3に狭められたことで、代表争いは熾烈を極める。更に、再び世界の舞台で戦うことは馬にとっても大きな負担になる。
本来は晴香が自分で乗るために購入した馬だ。オマハももう高齢なので、エジスターを国内に留める選択肢もあった。
しかし、晴香の母は言ったそうだ。「このような出会いが訪れることはなかなかない。馬が一番輝ける選択肢を考えなさい」と。
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晴香はエジスターを再び世界に送り出す決心をした。エジスターは今後、CDIが多く開催される予定のフロリダ州に飛ぶことになった。今後は東京オリンピックに向けて権利獲得を目指すことになる。
東京オリンピックの年を前に晴香は今年結婚した。いつか愛馬の背に我が子を乗せたいと将来を語る。
もし晴香が喜市の元で競技をしていなかったら? 母の助言がなかったら? 晴香がエジスターに運命を感じなかったら? もし喜市が負傷していなかったら?
全ては偶然のようで必然だったのだろうか。
競技者として長くそのパートナーでいてくれたオマハ、オーナーとしてたくさんの経験を与えてくれ、なお世界に挑み続けるエジスター。ともに晴香にとってかけがえのない大切なパートナーだ。