ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
トミー・ジョン手術から育成契約。
DeNA田中健二朗が目指す復活の日。
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byNanae Suzuki
posted2019/11/24 11:50
2016年、17年と2年連続で60試合登板を果たした田中健ニ朗。来季は「046」を背負って復帰を目指す。
「まだまだ終われませんよ」
今後、年明けからスローイングを始め、7月末日までの支配下登録を目指すという。術後11カ月目に相応のピッチングをしなければいけないことになるが、過去の手術例を見るかぎりそれは難しいと言わざるを得ない。
「たしかにそうなんですけど、目標として時期を定めるのは大事だと思うんです。ただ自分としては、無理をせず焦ることなく取り組んでいきたい。リハビリは痛いし、思うように力も入れられず、やれることに制限はあるけど、まだまだ終われませんよ。しがみつける余地があるならば、しがみついていかないと。この新しい靱帯と一緒に」
そう言うと田中は、左肘にちらりと目をやった。
ただ願うのは、時期は問わず、万全の状態でマウンドに立ってほしいということ。左腕から繰り出され、打者を翻弄する、あのカーブをまた見たい。