より高いレベルで、自分を試したい。

　覚悟が決まった。プロになって世界に挑む。もっと高い頂を目指す。静かに、しかし熱い思いを胸に、サニブラウンは熱狂的な雰囲気のスタジアムを後にした。

「2017年にプロ選手たちと8カ月間、一緒に練習してプロがどういう環境なのか、その後2年間、大学の選手として活動して、どちらも経験して、速い選手たちと走った方が得られるものが多いと感じました。もちろんアメリカは大学のレベルも高い。今年も全米大学選手権で優勝した訳じゃないけれど、ある程度の結果は出せたのかなと思っています。

　より高いレベルで自分がどれだけやっていけるのか。自分試しをしたい。そのために成長できるところに自分をおいてみたいと感じました。プロとして陸上に専念できる環境に自分をおいて、挑戦したいと思いました」

　今年6月の全米大学選手権は100mは日本新、200mは自己ベストで3位。手応えとともに、アメリカの学生のレベルの高さも実感した。世界最高峰の大学の試合で表彰台の一番高いところには上ることはできなかったが、より大きな舞台にステップアップして戦いたい、そう考えている。

学生のプロ転向は日本人では初。

「プロになっただけで終わる選手にはなりたくない。所属先やスポンサーにしっかり貢献しなければいけない立場になりますし、サポートしてくれるスタッフ、応援してくれる皆さんにもきちんと応えていけるように頑張らないといけないですね」

　海外では学生の途中でプロになることは珍しいことではないが、日本の陸上選手としてはおそらく初めてのケースになる。

「新しいことに挑戦することは楽しいです。（日本人初というのが）プレッシャーというよりは、楽しんでやるべきことをやっていくだけです」と気負いはない。

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