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マイルCSで激突するダノンの2頭。
プレミアムの潜在能力は本物だ。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2019/11/16 19:00
ダノンプレミアムが大器であることはおそらく間違いない。そのポテンシャルを証明できるか。
アーモンドアイが不在なら。
今あらためて、この馬が勝った一昨年の朝日杯の上位馬を見ると驚かされる。
2着ステルヴィオは昨年のマイルチャンピオンシップ、3着タワーオブロンドンは今年のスプリンターズステークス、4着ケイアイノーテックは昨年のNHKマイルカップを勝っている。そして5着のダノンスマッシュは重賞を3勝し、タワーオブロンドンが勝ったスプリンターズステークスで1番人気(3着)になるなど、こちらもGIに手が届きそうなところにいる。
ダノンプレミアム自身を含めたこれら5頭は1-3-2-5-4番人気の順でゴールしている。つまり、早い時期から素質を評価され、そのとおりに結果を出した信頼性の高いトップホースのなかで頂点に立ったのが、ダノンプレミアムなのだ。
アーモンドアイが不在なら、ジャパンカップに出ても勝ち負けできるのではないかと思わせる、本物の実力馬だ。
ファンには嬉しいダノンの激突。
と言っておきながら、実は私は、同じ「ダノン」の馬なら、ダノンキングリー(牡3歳、父ディープインパクト、美浦・萩原清厩舎)のほうが、天皇賞・秋で好走するのではないかと思っていた。
古馬と初対決となった毎日王冠で、出遅れながら直線だけで前を差し切った破壊力は距離が延びてもそのままだろうし、現に、皐月賞3着、ダービー2着と、どちらもタイム差なしで好走している。しかし、ダノンキングリーは早くからマイルチャンピオンシップに向かうと発表されていた。
ダノンプレミアムとなるべくぶつからないよう使い分けるのかと思っていたら、このマイルチャンピオンシップで早くも激突することになり、ファンとしては嬉しくてたまらない。
天皇賞・秋からマイルチャンピオンシップに向かう馬はそう多くはないが、それでも、天皇賞・秋で好走した馬は、マイルチャンピオンシップでも上位に来る傾向がある。
昨年3着のアルアイン(天皇賞・秋4着)、'15年3着のイスラボニータ(天皇賞・秋3着)、'12年優勝のサダムパテック(天皇賞・秋8着)、'09年優勝のカンパニー(天皇賞・秋1着)などがそうだった。