セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
老将ラニエリとモッタの「2-7-2」。
サンプ、ジェノアは窮地を脱せるか。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byUniphoto Press
posted2019/11/02 19:00
現役時代はインテル、バルサなどでもプレーしたチアゴ・モッタ。指揮官としてジェノア再生のかじ取り役となれるか。.
「守るな! 4点目を取りに行け!」
初戦のブレシア戦では1-5で大敗した8節パルマ戦から先発5人を入れ替え、2トップにFWギュミュスを抜擢し初先発デビューさせるなど、彼なりの“色”を出してきた。
3点を奪い返し残り数分となったとき、ベンチから「守るな! 4点目を獲りにいけ!」と声を荒げる新監督の姿をジェノア・ファンだけでなく、選手たちも頼もしく思ったにちがいない。
「(リードされた)前半、また負けるんじゃないかとビビったよ。だけど、チアゴは俺たちの良さを引き出してくれた。監督になってくれて本当嬉しいよ」
初陣のダメ押し弾を決めたのはインテル3冠時代の僚友FWパンデフだった。T・モッタとひとつしか年が違わないベテランFWは指揮官とファーストネームで呼び合いながら、この先に待ち構える困難も予見している。
船頭を替えたサンプドリア号とジェノア号に楽観論は禁物だ。12月中旬のダービーまで乗り越えなくてはいけない波は、なお高い。