酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
最強の来日大リーガーはクロマティ。
大外れは7戦で引退グリーンウェル。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byBUNGEISHUNJU
posted2019/11/03 19:00
現役時代の原辰徳らとともに巨人打線の主軸を担ったクロマティ。今年はチームに同行する時期もあった。
ドビーら名選手も活躍できず。
実はそれ以前から、NPBには超大物選手がやってきている。
1962年にはラリー・ドビーが中日に入団した。1998年に米国野球殿堂入りしたドビーはジャッキー・ロビンソンに次ぐ2人目の黒人メジャーリーガーだった。しかし中日では10本塁打35打点、打率.225に終わっている。
その10年後には、1965年ア・リーグMVPに輝いたソイロ・ベルサイエスが広島の一員となった。ゴールドグラブ2回に輝く名遊撃手だったが、広島では4本塁打10打点、打率.189の成績だった。
よく言われるようにMLBとNPBでは野球のスタイルが異なっている。それに、メジャーのスター選手は、盛りを過ぎてから日本にやってくることが多い。また、プライドが高く、日本野球や文化になじまないこともあった。
盛りを過ぎた後の入団だと……。
ここでMLBで2000本安打以上をマークして、NPBにやってきた選手の日米の通算成績を見てみよう。
・ウィリー・デービス
(MLBではドジャースなど、NPBでは中日、クラウン)
MLB
2429試合9174打数2561安打
182本1053打点398盗 打率.279
NPB
199試合797打数237安打
43本132打点22盗 打率.297
・トニー・フェルナンデス
(MLBではブルージェイズなど、NPBでは西武)
MLB
2158試合7911打数2276安打
94本844打点246盗 打率.288
NPB
103試合370打数121安打
11本74打点2盗 打率.327
・レジー・スミス
(MLBではレッドソックス、ドジャースなど、NPBでは巨人)
MLB
1987試合7033打数2020安打
314本1092打点137盗 打率.287
NPB
186試合494打数134安打
45本122打点3盗 打率.271
・ビル・マドロック
(MLBではパイレーツ、ドジャースなど、NPBではロッテ)
MLB
1806試合6594打数2008安打
163本860打点174盗 打率.305
NPB
123試合437打数115安打
19本61打点4盗 打率.263
ウィリー・デービスは中日時代、ランニング満塁ホームランを打って、日本人の度肝を抜いた。他の選手も、短期的にはいいところを見せたが、やはり「盛りを過ぎた」印象は否めなかった。
なお投手ではMLBで310セーブを挙げ、2008年に米国野球殿堂入りしたリッチ・ゴセージが1990年にダイエーでプレーしたが8セーブにとどまっている。