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最強の来日大リーガーはクロマティ。
大外れは7戦で引退グリーンウェル。 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byBUNGEISHUNJU

posted2019/11/03 19:00

最強の来日大リーガーはクロマティ。大外れは7戦で引退グリーンウェル。<Number Web> photograph by BUNGEISHUNJU

現役時代の原辰徳らとともに巨人打線の主軸を担ったクロマティ。今年はチームに同行する時期もあった。

楽天のジョーンズは格が違った。

 そういう悪しき例もあるが、MLBの大選手は、独特の風格があって格好いい。

 アンドリュー・ジョーンズは、ブレーブス時代、チッパー・ジョーンズとともに「Wジョーンズ」としてチームの顔だった大選手。本塁打王、打点王もとった。

 2013年に楽天に入団。この年の楽天は田中将大が24勝0敗という空前の成績を挙げ、初優勝したが、ジョーンズは粘り強い打撃で貢献した。

 私は何度もこの選手を見に行ったが、打席では笑顔を浮かべながら、ゆったりと構えて投手の球筋を見極め、スイング一閃、すさまじい打球を飛ばしていた。やはり格が違うという感じがしたものだ。

“あの”ラミレスは高知でプレー。

 日本のチームでプレーしたメジャーリーガーということで言えば、ナンバーワンの超大物は、他にいる。

 マニー・ラミレスだ。

 MLB通算2574安打555本塁打1831打点、
 打率.312。首位打者、打点王、本塁打王各1回。

 ラミレスは2017年に独立リーグ高知ファイティングドッグスでプレーした。筆者は2013年に台湾プロ野球の義大ライノスに入団した時からマニーを追いかけていた。

 高知に来たときは45歳になっていたが、試合前の打撃練習では1球1球心を込めて打ち込んでいた。驚くことに打ち損じはほとんどなかった。

 もう打つだけしかできなかったが、3本塁打22打点、打率.413を残した。

 高知の人々は彼が来た当初は「何や、ラミちゃんかと思たのに」と言った。ちなみにラミちゃんこと現DeNA監督のアレックス・ラミレスはインディアンスでマニーのチームメイト。当時のアレックスは、大スターだったマニーの控え外野手だった。

 マニーはカーマニアで、日本車のパーツを買いそろえるのが目的と言われたが、夫人がアメリカに帰国してからは日本の生活を楽しむようになる。

 滞在していたホテルの宴会場で開かれた地元消防団の宴会に飛び入りしてカツオのたたきを食べたり、自転車でお気に入りのクロワッサンを買いに行ったりして、すっかり人気者になった。

 高知の関係者に聞くと、今春も「高知で野球をやってもいい」とオファーがあったという。

 マニーに一度でいいから、NPBでプレーしてほしかった。

【次ページ】 MLBきっての守備職人エスコバー。

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