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<WBSCプレミア12 勝手に大予想>
中畑清×陣内智則「これが、侍ジャパンの戦い方だ」 

text by

石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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photograph byNanae Suzuki

posted2019/10/31 11:45

<WBSCプレミア12 勝手に大予想>中畑清×陣内智則「これが、侍ジャパンの戦い方だ」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

4番・鈴木誠也は対戦相手にとって脅威。

陣内 しっかりとランナーをためた状態でクリーンナップにつなぐわけですね。そして肝心の4番なんですけど、僕のイメージでは山川穂高選手や筒香嘉智選手みたいにドカーンって一発打つタイプがハマると思うんです。けど、今回は代表に選出されていない。

中畑 ここは鈴木誠也の一択だろうな。

陣内 首位打者も獲っているし、やっぱり確実性ですか?

中畑 若くしてここまで成長した選手ってあまりいないんだよ。アベレージが高くて長打力もある。どの方向にも打てて状況判断のできる4番っていうのは、チームに与える影響が大きいんだ。

陣内 打率2割5分でもホームラン40本打つような昔ながらの4番ではなく……。

中畑 それも悪くはないんだけど、3割30本100打点をマークできる選手のほうが俺は信頼できるかな。ましてや短期決戦となる国際試合は、調子の波が少ない主軸の方が望ましい。一発に頼りがちなスラッガーは、調子の波が狂うと復調するまで時間がかかる。そういったタイプは代打要員として残しておけばいい。

陣内 相手からしてみたら、鈴木選手みたいな4番バッターは嫌でしょうね。

中畑 間違いなくやりにくいだろうね。

ラグビーと同じく、チームのために。

陣内 中畑さんのオーダーを見るとパワーがすごいっていうか、多少ビハインドになっても一気に逆転してくれそうな打線ですよね。僕としても打ち勝つ野球が見たいので楽しみです。スター軍団でも、自己犠牲の精神がないとチームは機能しない。

中畑 たださっきも言ったように、日本のトップクラスの選手をもってしても、国際大会っていうのは点が入らない。

陣内 これだけの打者や投手が集っても難しい戦いなんでしょうね。大切になってくるのはどういった部分ですか?

中畑 やっぱり大事なのは、監督と選手一人ひとりがどれだけ意思疎通できているかだと思う。監督がいかに選手の人間性にまで入り込んでチーム作りができているかだよね。

陣内 そこには選手の自己犠牲を厭わない姿勢も必要になってくるわけですね。

中畑 そう。スター軍団かもしれないけど、自己犠牲の精神がないと日の丸のチームはハッキリ言って機能しないんだよ。最近注目されたラグビーW杯もそうだったけどチームのため、仲間のため、国のためといった選手たちの強い気持ちが必要になってくる。

陣内 そういう意味じゃ、脇役となる選手も大事になりそうですね。走塁や守備固めなどで光る渋い野球も好きなので、そこにも注目したいですね。

中畑 外崎修汰のユーティリティー性とかは重要になってくるだろうね。あと、ベテランの松田宣浩の存在感。スタメンの機会は少ないかもしれないけど、ムードメーカーとしてベンチをまとめるのはマッチにしかできない。苦しい状況であっても盛り上げて欲しいよね。

陣内 松田選手は現役時代の中畑さんみたいですよね(笑)。

中畑 うん、俺そっくり(笑)。

陣内 いやー、今から楽しみだし心臓をドキドキさせながら観たい大会ですよ。普段は主力の選手たちが、勝つためにどこまで自分を犠牲にして必死になるのか。そんなプレッシャーのなか、ファンとしては勝って感動を味わいたいし、ぜひ優勝を目指してもらいたいですね。

中畑 東京オリンピックに向けて意味のある大切な大会だし、選手たちには出し惜しみすることのない最高のプレーをして欲しいよね。ガンバレ、ニッポン!

中畑清Kiyoshi Nakahata

1954年1月6日、福島県生まれ。'76年、巨人に入団。内野手として活躍後、'89年に引退。'04年、アテネ五輪日本代表の監督としてチームを銅メダルに導く。'12年から4年間、横浜DeNA監督を務めた。

陣内智則Tomonori Jinnai

1974年2月22日、兵庫県生まれ。小・中学時代は野球部で内野手として活躍。一人コントで売り出し、さまざまな番組やイベントの司会などで活躍。毎年、沖縄キャンプに駆けつけるほどの熱狂的阪神ファン。

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