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4連敗CS敗退、涙で目を真っ赤に。
西武・源田壮亮の悔いと覚悟。
posted2019/10/20 11:40
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
Kyodo News
「中継ぎでも抑えでも、どこでも思いは一緒です。チームの勝利に貢献できるならそれでいい」
今シーズン、常に同じ言葉を繰り返してきた選手会長の増田達至が、レフトスタンドに向かって深々と頭を下げる。今シーズンはクローザーとして65試合に登板し、30セーブを記録した。しかしこの日はレギュラーシーズンでは見られなかったビハインドでの登板。異例の2イニングスを投げ、味方の反撃を待ったが、最後は力尽き3対9で第4戦を落とした。
試合後、挨拶のためにグラウンドに現れたライオンズの選手たちに向けられたのは大きな拍手とブーイングだった。アドバンテージの1勝を除く4連敗という結果で、パ・リーグ連覇を果たしたライオンズのクライマックスシリーズ・ファイナルステージは幕を閉じた。
「うちはこういう戦い方しかできない」
試合後、辻発彦監督はさばさばとした表情で語った。
「うちはこういう戦い方しかできない。平井(克典投手)、増田という盤石のリリーフがいて、その前に誰が投げるか……そこが固定できなかった。そこがしっかりしていれば、先発も初回から全力で行ける。その課題はシーズン中からありましたが……。でも、それも含めて『チーム力』ですから」
対する福岡ソフトバンクはシーズン中こそ故障者が多かったものの、代わって出場した選手が活躍。終盤からポストシーズンに向けて故障者も戻り、戦力が整った。
「うちは今ある力を精いっぱい出した」と辻監督は振り返ったが、次から次へと状態のいい選手を送り出す福岡ソフトバンクのベンチに対し、ライオンズのスターティングメンバ―は木村文紀、メヒア、栗山巧を7、8番で入れ替えただけに終わった。
「レギュラー陣は大きな故障もなく、満身創痍の中、本当によく1シーズンを戦ってくれたと思っています。しかし彼らに続く選手が現れなかった。層の薄さがこのクライマックスシリーズでもあらわになってしまった」(辻監督)