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4連敗CS敗退、涙で目を真っ赤に。
西武・源田壮亮の悔いと覚悟。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byKyodo News
posted2019/10/20 11:40
西武対ソフトバンク第4戦 日本シリーズ進出を決め、喜ぶソフトバンクナイン。右端は最終打者となった西武・源田。
源田が珍しく声を震わせた。
試合の直後は、涙で目を真っ赤にはらしていた。
「去年より今年のほうが悔しいです」
めったに感情をあらわにしない源田が、珍しく声を震わせた。
源田は今シーズン、浅村栄斗の抜けた内野陣をまとめ、ピンチを迎えればマウンドに足を運んで投手を励まし、献身的にチームを支えた一人だった。
「僕自身、このCSでは何もできなかった感じがします。内野での声掛けは、今年は『自分が引っ張っていこう』と思って、意識してやりました。チームのことを考えながら1年間やりました」
中心選手となる覚悟はできている。
クライマックスシリーズで先発としてマウンドに上がった今井は21歳。中継ぎの平良海馬は19歳、松本は22歳と年齢も若く、経験も浅い。今井、松本ともにレギュラーシーズンでは7勝を挙げたものの、プロでの実績が少ない投手が来シーズンも先発ローテーションの中心を担う。
「そうですね。来年も、周りを見ながらやりたいと思っています。若いピッチャーが思い切ってやってくれるように、心を配りたいですね」(源田)
中心選手となる覚悟はできている。
ライオンズが最後に日本シリーズに出場したのは2008年。実に11年間、クライマックスシリーズという厚い壁に阻まれてきた。中村剛也、栗山巧というベテラン野手は健在だが、振り返れば、毎年のように主力が抜け、ポストシーズン敗退の要因や短期決戦を戦う上での課題を引き継ぐ選手が次々と去っていることも、チームにとって痛手なのではないか。
この敗退が、源田を筆頭とした野手陣と、レギュラーシーズンで10勝を挙げた高橋光成、今井、松本、本田ら若い投手の糧になることを信じるしかない。