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2019年ドラフト査定!<パ編>
佐々木朗希指名のロッテが最高点。
posted2019/10/19 12:00
text by
小関順二Junji Koseki
photograph by
Shigeki Yamamoto
◇西武 70点
4球団が競合した佐々木朗希(投手・大船渡高→ロッテ)を1位で入札したあと、抽選で外し、外れ1位で2球団が競合した宮川哲(投手・東芝)の交渉権を抽選で獲得した。
今年のチーム防御率4.35はパ・リーグ最下位で、12球団の中ではヤクルトの4.78に次ぐワースト2位。さらに35セーブはリーグ5位、91ホールドは12球団中最下位。先発も弱いがリリーフも相当弱いことがわかる。
1位の宮川、2位の左腕・浜屋将太(三菱日立パワーシステムズ)、3位の松岡洸希(BCリーグ武蔵)は速いストレートとキレのある変化球を操るリリーフタイプで、球団の抱える事情に合った人選である。競合覚悟で佐々木に向かったことや宮川を外れ1位で指名したことなど、及第点をあげていい内容だ。
宮川は日刊スポーツ「ドラフト特集号」の中で自身の言葉でストレートの回転数が「いいときは2500~2600くらいです」と語っている。時々テレビ中継で紹介される千賀滉大(ソフトバンク)の回転数が2500弱なのでストレートの伸びに限定すればプロでも上位。即戦力と言っていい。縦変化のスライダー、フォークボール、140キロ台前半のカットボールも威力がある。
「海キャノン」が登場!
◇ソフトバンク65点
超高校級スラッガーの石川昂弥(内野手・東邦高→中日)を抽選で外し、外れ1位で佐藤直樹(外野手・JR西日本)を指名した。今年の都市対抗にJFE西日本に補強され3番中堅手としてスタメン出場し、14打数6安打3打点、打率.429を記録した。今、指名選手の中では岡野祐一郎(中日3位)とともに大会優秀選手にも選出されている。王貞治取締役会長は「走攻守3拍子揃う」と評していたが、都市対抗を見る限りは「走守」はいいが、バッティングは特徴はあまり見られなかった。
2位海野隆司(捕手・東海大)は自らのスローイングを「海(かい)キャノン」とアピールするほど強肩に自信を持っている。今年の大学選手権ではイニング間1.79秒というスローイングを見せ、アマチュア最強の肩を実証。バッティングでは大阪商業大戦でヤクルト4位・大西広樹の140キロストレートをライト前に運び、後続の打者の二塁打で勝ち越しのホームを踏んでいる。3位の津森宥紀(投手・東北福祉大)、5位柳町達(外野手・慶応大)も即戦力の魅力に富んでいる。