スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
短期決戦と恐るべき異変。
MLBのポストシーズンはカオスだ。
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byGetty Images
posted2019/10/12 08:00
10月8日の第4戦、中3日で先発したヴァーランダーはまさかの4回途中4失点での降板となった。
カオス状態はつづくのでは。
となると、アストロズにとって不可欠なのは、グリンキーやマイリー、そして新鋭ウルキデの奮起だろう。とくにカギを握りそうなのは、グリンキーの出来だ。ポストシーズンをやや苦手とする彼が、本来の力を発揮すれば、勝敗の行方は混沌としてくるのだが……。
それにしても、ポストシーズンではしばしばこういった異変が起こる。
ナ・リーグでも優勝候補筆頭と見られていたドジャースが、穴馬ナショナルズ(ブルペンは弱いが、スティーヴン・ストラスバーグとマックス・シャーザーの先発二枚看板が健在だ)の大胆な奇襲の前に苦杯を喫した。
これから先も、波瀾含みのカオス状態はつづくのではないか。前評判の高かったアストロズ、ヤンキース、ドジャースの3強のうち、ドジャースはすでに去った。ALCSで激突する2強のうちどちらかが、王座への道を歩むのか。それともナショナルズやカーディナルスが、とんでもない大穴を開けるのか。
先はまだまだ予断を許さないが、私はアストロズの大逆襲に期待している。