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最強オールブラックスを見逃すな!
主将、司令塔が語る「強さと誇り」。
text by
高木麻仁(Number編集部)Asahito Takagi
photograph byGetty Images
posted2019/09/20 08:00
主将のキーラン・リード(前方中央)を中心に、試合前にハカを踊るオールブラックスの選手たち。
天性のトライゲッターの意外な素顔。
キーラン・リード主将が、オールブラックスのリビング・レジェントとするならば、この選手はまさに、今をときめくスピードスターだ。
リーコ・イオアネ、22歳。若干19歳で世界最強軍団の一員となり、瞬く間にスター街道をのし上がった。2017年には世界最優秀新人に輝き、ニュージーランド代表のウイングとしては、26キャップで23トライと驚異的なスピードと得点力を誇る。
オールブラックスの中においても特別な才能を持つ選手といえるが、その素顔は謙虚でクールだった。
「確かに、自分の強みは、スピードとクイックネスです。ただ、他のバックスと協力し合えてこそ、その強みも活かせるのだと考えています。例えば、ボールを持った選手のフォローにいく。そしてわずかな隙をついてスペースに入り込み、得点につなげていく。
お互いの良さを活用して、連携していく力を発見することこそが、最大の持ち味ではないかと感じています」
そんな彼にとって、オールブラックスの一員であることの誇りとは何か。そう問うと、真っ直ぐな目線で、迷いなく答えてくれた。
「ニュージーランドにおいて、ラグビーというのは国家的なスポーツです。さらに世界的にもリスペクトされる立場を築いていると思います。ニュージーランドの国旗を背負うということは、国だけでなく、世界的な観点でも特別なことだと考えています。
限られた人に与えられた権利であり、オールブラックスの一員であることを誇りに思います」
世界最高の司令塔、ボーデン・バレットの頭脳。
オールブラックスのキープレイヤーは誰か? いや、世界最高の選手は? この問いに対して多くのラグビーファンはこの名前を挙げるに違いない。
ボーデン・バレット。2016年、2017年と2年連続で世界最優秀選手の栄冠を受けたニュージーランド代表の司令塔である。
スキル、スピード、攻撃のアイディア、そして正確無比のキックを兼ね備えた完全無欠のプレイヤーといってしまってもいいかもしれない。
そんな彼にとって今回のチームの強み、特徴はどのように映っているのか。それは、意外というか、当然というべきか――キーラン主将、イオアネ選手と同じ趣旨の答えだった。
「我々はユナイテッドです。団結をしています。足並みも揃っていて、我々が受けるべき使命にみんながコミットしています」
では、チームの頭脳としては、どのようなことを意識しているのか。オールブラックスではスタンドオフ、またはフルバックでプレーするはずである。
「ポジションによってチームでの役割がありますが、私が自分の最も大きな責任だと考えているのが攻撃の方法についてです。この領域に関しては責任を持って、試合の場で使命を果たしたいと考えています」