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新人最多7勝目の西武・松本航。
「とにかく自分の感覚を大事に」 

text by

市川忍

市川忍Shinobu Ichikawa

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photograph byKyodo News

posted2019/09/19 07:00

新人最多7勝目の西武・松本航。「とにかく自分の感覚を大事に」<Number Web> photograph by Kyodo News

ルーキーらしからぬ落ち着きを見せる松本。指揮官も「ローテーションを守ってくれて健闘している」と評価する。

「自分のいいところはどこだ?」

 5月19日にプロ初勝利を記録したものの、その後登板した試合でチームは3連敗。6月以降は防御率も4点台と、なかなか思い通りのピッチングができずに苦しんだ。8月8日の東北楽天戦後には、一軍登録を抹消され、調整に励むこととなる。

「これまで、ボールを置きに行ってストライクを痛打されるケースが多かった。改めて『自分のいいところはどこだ?』と考えた結果、やはりストレートだと思いました。思い切って真っすぐを投げ込むことが大事だと……」

 8月15日、一軍の練習に参加しながら、メットライフドームのブルペンで130球を投げ込んだ。

「最初は『100球くらい投げようかな』と思っていたんですけど、感覚を確かめているうちに130球投げていましたね」

 ストレートだけをひたすらキャッチャーのミットをめがけて投げ込んだ。

「先発ローテーション、今のところ、しっかり守れてはいませんけど、こうして登板機会をもらえているし、一度、抹消されて登板間隔が空く間は自分の考え通りに調整もさせてもらっている。なんとか結果を残したいです」

 練習を引き上げる際にそう語った。

辻監督も存在の大きさを認める。

 投げ込みでストレートを磨いたこともあり、球威が戻った松本は、その後は黒星もあるものの、先発ローテーションを守っている。このままいけば、ルーキーでのポストシーズンでの先発起用も濃厚だ。

 辻監督は語る。

「去年までいなかった選手の中では、松本航の存在が大きかったですね。うちは先発の頭数が足りない。『開幕から彼が先発ローテーションに入ってくれれば投手陣は助かるな』と思っていました。そこまで新人に期待するのは酷かなとも思いましたけど……。出遅れはしましたが、ローテーションを守ってくれて健闘していると思っていますよ」

【次ページ】 大学時代から調整法を模索し続けて。

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