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新人最多7勝目の西武・松本航。
「とにかく自分の感覚を大事に」
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byKyodo News
posted2019/09/19 07:00
ルーキーらしからぬ落ち着きを見せる松本。指揮官も「ローテーションを守ってくれて健闘している」と評価する。
大学時代から調整法を模索し続けて。
いつも驚かされるのは、松本のルーキーらしからぬ落ち着きだ。セットポジションへの変更も、投げ込みでの調整も、自身で考え、実行したことだ。
「セットポジションでの投球は、指のかかりもよかったし、要所でいいボールも行きました。今シーズンは続けていこうかなと思っています。とにかく自分の感覚を大事にしたいので」
自ら調整方法を模索する習慣は日体大時代に身につけた。
指導者を数多く輩出している同大学では、授業でトレーニングの基本や体の構造なども学ぶ。
「高校のときはもちろん何もわからず、監督に指導されるがままに練習していました。でも大学では、体育大学ということもあって、体についていろいろなことを学びます。1、2年生のときは基礎トレーニングを教わって、3、4年生になってからは、その中から自分で自分に合う方法を取捨選択していました。
自分で考えてトレーニングをしたり、調整方法を考えたりするのが当たり前。自分で決めれば責任が発生するし、だからこそ自覚も生まれると思います」
試合を作る仕事をしっかり果たす。
プロに入ったあとも、同じように自身で考え、練習やトレーニングを積み、課題と向き合ってきた。ゆっくりではあるが、その成果が徐々に実を結び始めている。
「(7勝という成績は)まず、こうして試合で投げさせてもらえているということが大きいです。先発のいちばん大事な仕事は試合を作ること。これからも自分の仕事をしっかり果たします」
落ち着いた口調で語る松本。初めてとなるクライマックスシリーズでもその力を発揮できるか、注目したい。