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新人最多7勝目の西武・松本航。
「とにかく自分の感覚を大事に」
posted2019/09/19 07:00
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
Kyodo News
9月13日、ドラフト1位ルーキーの松本航がパ・リーグ新人で最多となる7勝目を挙げた。0.5ゲーム差で首位のソフトバンクを追う大切な試合で、7イニングスを投げ被安打は2、千葉ロッテ打線を無失点に抑える好投を見せた。
「自分の仕事をしっかりと果たせたかなと思っています。真っ直ぐが走っていたので、テンポよく投げられました。要所でインコースにもしっかり投げ込めたのが収穫です」
負ければ首位とのゲーム差が開く正念場。「緊張感はありましたが、気にせずに投げられた」と今シーズン、最高のピッチングを見せた。
正念場で投げ方を変えた理由。
この日の前回登板となるオリックス戦から、ワインドアップモーションからセットポジションに投げ方を変更した。決断したのは前日のことだという。
「もともと今シーズンはセットポジションで球威が落ちたり、ヒットを打たれることが多かった。『じゃあ、最初からセットで投げてみたらどうかな』と思ったのがきっかけです。最初からセットであれば、クイックモーションで投げるときも、今まで以上に対応できるんじゃないかと思いました。今までずっとワインドアップで投げていたので、最初は慣れない感じもありましたけど……」
逆転の発想が功を奏し、オリックス戦でも6イニングスで自責点2のクオリティスタートを見せた。
今シーズンの松本はルーキーながら先発ローテーション入りを期待されていた。しかしオープン戦の最中に肺炎にかかり、開幕は出遅れる。それでも「先発として6イニングスくらいを投げてくれるのは大きい」と、その働きを辻発彦監督も高く評価していた。
ただし、本人はもやもやとした思いを抱えていた。