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リベリー加入がもたらした化学反応。
今季はフィオレンティーナに要注目!
posted2019/08/29 11:40
text by
神尾光臣Mitsuomi Kamio
photograph by
Uniphoto Press
8月21日、フィレンツェの街が沸いた。
元フランス代表の名ドリブラー、フランク・リベリーがフィオレンティーナへの移籍を決めたのだ。契約は2年間。年俸と成功ボーナスも併せて450万ユーロ(約5億2000万円)が支払われるのだという。
バイエルンに12年間所属し、チームに9回の優勝とCL並びにクラブW杯のタイトルをもたらした紛うことなき国際的スターは6月で契約を満了していた。そんな彼が新天地に選んだのはかつてのチームメイト、ルカ・トーニの古巣だった。
翌22日、彼がプライベートジェットでフィレンツェの街に入るや大騒ぎだ。一際愛情の深いファンやメディアは、メディカルチェックが行なわれる医療センターの前に集まり、クラブハウスの前にも人だかりができた。
リベリーが紫色のシャツに身を包んで挨拶に来れば、チャントを歌って手厚く歓迎する。22日に記者会見と急遽用意されたお披露目セレモニーがホームスタジアムのアルテミオ・フランキで行なわれると、急なプログラムにもかかわらず1万5000人のファンが集った。
イタリアの新居はグラウンド?
「ルカとは3年間一緒にいたから兄弟みたいなもんさ。何度も彼に言われたよ。『行って来いよ。綺麗な街だし、街の人たちは素敵だ。フィオレンティーナで楽しんでこい』って。だから俺は、ここにいるというわけさ。家をどこにするかって? いや、このグラウンドがあるじゃん」
セレモニーで司会者から質問されたリベリーは、イタリア語で返答した。個人契約するフィジオセラピストもイタリア人で、日常会話程度なら大丈夫なようだ。垣根を作らない気さくな姿勢に、ファンは大歓声を上げた。
「チームを助けて上位5位には入りたい。なんなら3位以内だって目指したい。野心的なクラブに来たんだからね」
リベリーは、そうぶち上げていた。