フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
ロシア勢やアリサ・リュウが成功。
女子フィギュアも「4回転時代」へ?
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byGregory Shamus/Getty Images
posted2019/08/29 11:30
昨シーズン、史上最年少の13歳で全米女子チャンピオンとなったアリサ・リュウ。
2022年北京五輪では、誰が4回転を?
今から2022年北京オリンピックの間までに、シニア女子の間で4回転はどこまで浸透するだろうか。
トゥルソワとシェルバコワの2人は、今季シニアGP大会デビューをする。
トゥルソワはスケートカナダとロステルコム杯、シェルバコワはスケートアメリカと中国杯に出場が予定されている。トゥルシンバエヴァはスケートアメリカと、中国杯の2戦でシェルバコワとぶつかることになる。
少なくとも今シーズンは、彼女たちが出場するアメリカ、カナダ、中国とロステルコム杯では、4回転を見ることができそうだ。
紀平梨花はどう迎え撃つか
その一方で、昨年の世界チャンピオンであるアリーナ・ザギトワをはじめとする大多数のトップ女子選手は、おそらく4回転も、3アクセルもない従来の戦い方を続けていくことになるだろう。
いくら必要になったと言われても、シニアになってからそう易々とマスターできるような技ではなく、怪我のリスクも高いためだ。
そんな現状の中で、昨シーズンGPファイナル初優勝をきめた17歳の紀平梨花はアメリカで4回転のトレーニングを行い、練習ではすでに成功させている。
質の高い3アクセルを高い確率で跳んできた紀平になら、4回転を試合で成功させるのは現実的なことだろう。
音楽表現などでも高い評価を受ける紀平に安定した4回転が加わったなら、おそらく敵無しの状態になる。だが3アクセルも加えたプログラムの身体への負担は、半端なものではないに違いない。