フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
ロシア勢やアリサ・リュウが成功。
女子フィギュアも「4回転時代」へ?
posted2019/08/29 11:30
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Gregory Shamus/Getty Images
8月20日から25日まで、ニューヨーク州都オールバニーで、女子スポーツのチームイベント、オーロラゲームズが開催された。
テニス、バスケットボール、体操など合計7種目でアメリカチームと世界中から集まったメンバーによるワールドチームが対決し、合計スコアを競うという趣向のこの大会。フィギュアスケートのフリーで、14歳のアリサ・リュウが2度の3アクセル、そしてアメリカの女子として初の4回転ルッツをきめたことが大きな話題となっている。
もっともこのオーロラゲームズは、ISUジャッジシステムで行われたわけではない。ジャッジもスルヤ・ボナリーやエリザベス・マンリーなど過去のチャンピオンたちが招かれて10点満点システムで評価する、娯楽イベントである。4ルッツや3アクセルもISUの技術スペシャリストが技を認定したわけではなく、もちろんISUの記録にも残らない。
最年少の全米女子チャンピオンに。
リュウは13歳だった昨シーズン、全米選手権のフリーで2度の3アクセルを成功させて最年少の女子チャンピオンとなった。だが8月生まれの彼女はシニアはもちろん、ジュニアの国際試合の出場年齢規定にも達していなかった。1月に全米選手権で優勝したものの、その後大会に出場することなくシーズンを終えていた。その彼女が7カ月ぶりに登場した公の場で4ルッツを見せたのだから、アメリカのマスコミが沸くのも不思議ではない。
だが彼女の本当の勝負は、8月28日(現地時間)からニューヨーク州レイクプラシッドで開催されるジュニアGP大会デビュー戦だ。
先週フランスで開催されたジュニアGP大会初戦では、ロシアの13歳、カミーラ・バリエヴァが4トウループを成功させて優勝している。ジュニアの女子ではすでに、4回転を跳べないとトップにいけない時代が到来した。