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藪恵壹が見る阪神の助っ人戦線。
「当たり」を掴めない理由は?
text by
藪恵壹Keiichi Yabu
photograph byKyodo News
posted2019/08/26 20:00
現在二軍で調整中のソラーテ。打率.188と低迷する打撃に加えて、20試合で4失策の守備難も大きな課題だ。(成績は8月25日現在)
マルテ、夏加入のソラーテもまだまだ。
冒頭で触れたソラーテは、7月26日のデビュー戦でいきなりの決勝ホームラン、さらに4日後にはサヨナラ弾を含む2本塁打を放ち、強烈な印象を残しました。
しかしそのあとは低空飛行となり、今月19日には一軍登録を抹消されて調整中。守備の問題も大きく、やはりシーズン途中からの加入というのはなかなか難しいところですね。
ジェフリー・マルテも状態が良いとは言えません。
成績としてはまずまずにも見えますが、緩急をつけた日本式の投球に未だ適応できていないのが気になります。明確なウィークポイントがありますから、相手投手にとってはどうしても攻めやすくなってしまいます。
どちらの選手もまだ来日してから日が浅いですから、まだまだ見ていく必要があると思います。
1回に点を取る野球に必要な強打者。
今月10日からは大山悠輔に代わってマルテが4番を務めていますが、その前に試していたソラーテ、マルテ、大山という2~4番の並びには魅力がありました。得点力を考えると、この打順は固定しても良かったのではないかと思います。
と言うのは、得点力不足に悩むタイガースこそ、1回で1点を取る野球ではなく、2点、3点を狙う野球をするべきだからです。
今の阪神は、1番の近本光司が出塁し、それを進塁させることを念頭に置いて2番に糸原健斗を起用することが多くなっています。しかし2点以上を奪うには、近本が足で相手にプレッシャーをかけ、それによって甘くなった球を強打できる2番打者が必要です。ですから、2番にはソラーテや中谷将大といった強打者タイプを置くほうが良いと考えます。