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バスケW杯へ、海外挑戦で得た覚悟。
比江島慎「代表に捧げているんです」
text by
石川歩Ayumi Ishikawa
photograph byKiichi Matsumoto
posted2019/08/23 20:00
八村、渡邊といった新たな得点源となるプレーヤーが加わる中で、比江島(右から2人目)のチーム内での役割もいま大きく変わろうとしている。
「サマーリーグはめちゃくちゃ嬉しかった」
そして7月2日、ペリカンズから発表されたサマーリーグのロスターに、比江島は名を連ねた。ペリカンズにはNBAドラフト全体1位のザイオン・ウィリアムソンが在籍しており、今季もっとも注目が集まっているチームでのサマーリーグ参戦だった。
「サマーリーグに出られると分かって、めちゃくちゃ嬉しかった。単純にもう、NBAという最高峰の舞台で、これからスター選手になる人たちとバスケができる。しかもペリカンズですよ! 全米・全世界が注目している試合で、ドラフト1位の選手と同じチームでやれるんだって、もーう! 相当興奮しました」
比江島のサマーリーグデビューは、7月6日に行われたニューヨーク・ニックス戦。ザイオンと大学のチームメイトだったRJ・バレットが対戦する注目の試合で、1万8000人収容の「トーマス&マック・センター」は観客で埋め尽くされていた。
ペリカンズで求められた役割。
「もう、今までに味わったことがない、すごい雰囲気でした。バスケの国の独特の雰囲気があって、素晴らしい選手と一緒のコートにいて、すごく緊張したけれど楽しかった。
チームからは、ザイオンのマークマンを引きつけて、僕がボールをもらってスペーシングをして打つというのを言われていました。シューターの役割は少し難しかったというか……スピードのある大きな選手たちが高い身体能力でチェックにくるし、ディフェンスの間合いが日本やヨーロッパと違うから、今までとは違うボールをもらうまでの動きや、クイックリリースのシュートが求められる難しさはありました。楽しもうと思っていたけれど、1試合目は特に緊張して、何もできなかった」
ペリカンズはサマーリーグで6試合を戦い、比江島はそのうちの3試合に出場した。
最後の出場になったクリーブランド・キャバリアーズ戦では1Q途中から約5分間出場し、積極的に3Pシュートを打ちにいったが得点することはなかった。3試合の合計プレータイムは約12分、6本のシュートを放ち、無得点に終わった。
「1本でもシュートが入れば良かったのですが、1本でも入れば、だいぶん気持ちも楽だったと思うし……。それが自信にもなったと思うのですが」