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バスケW杯へ、海外挑戦で得た覚悟。
比江島慎「代表に捧げているんです」
posted2019/08/23 20:00
text by
石川歩Ayumi Ishikawa
photograph by
Kiichi Matsumoto
W杯の前哨戦として、8月12日からニュージーランド、アルゼンチン、ドイツ、チュニジアと国際試合を戦っているバスケットボール男子日本代表。
14日に行われたニュージーランドとの2戦目は、八村塁、渡邊雄太、ニック・ファジーカスの3選手が同じコートに立ち注目を集めたが、試合は87-104で敗北した。
日本のエースを担ってきた比江島慎は、約20分のプレータイムで9得点、1アシスト、1スティール。強化試合ならではの試験的な選手起用があったとはいえ、W杯予選で見せていた相手を翻弄する縦横無尽のドライブや、1対1から相手を崩してファウルももらう3点プレーなど、点取り屋・比江島の姿はなりをひそめていた。
本人も試合後に「ニックや(八村)塁を生かそうとしすぎた。満足のいく試合ではなかった」と話した。
その一方で、前向きな言葉もあった。
「(八村・渡邊・ニックの)3人と一緒にコートに出るのか、交代して出るかで自分の役割は変わるが、僕が攻撃の軸としてチームを引っ張る意識でやっていきます。これから身長の大きな相手と当たる中で、自分の役割は増えてくると思う。(今回の結果に)下を向く必要はないし、W杯までにギアを上げていきます」
比江島が1年前からスタートしたタフな海外挑戦の経験は、W杯本戦に向けて目線を前に向かせているようだ。
昨季は栃木でプレー、代表でも活躍。
昨年8月、比江島は6シーズン在籍したシーホース三河を離れ、オーストラリアのブリスベン・ブレッツへ移籍した。しかし、ほとんど試合の出場機会がないまま約5カ月でチームを解雇され、Bリーグ2018-19シーズンは途中加入した栃木ブレックス(現・宇都宮ブレックス)でプレーした。
Bリーグと並行して開催されたW杯予選では、4連敗中のチームで孤軍奮闘し、21年ぶりの本大会出場に大きな役割を果たしている。
その後、6月にNBAダラス・マーベリックスとニューオーリンズ・ペリカンズのミニキャンプに参加したのち、ラスベガスで開催されたサマーリーグに出場。この1年間、海外で戦い続けてきた比江島はサマーリーグで何を考え、何を得て、W杯直前のいま何を思うのか? 代表合宿に参加中の比江島に、話を聞いた。