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オリジナル曲、独自の選曲が急増!
2019夏の甲子園、ブラバンBEST10。 

text by

梅津有希子

梅津有希子Yukiko Umetsu

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photograph byYukiko Umetsu

posted2019/08/23 18:00

オリジナル曲、独自の選曲が急増!2019夏の甲子園、ブラバンBEST10。<Number Web> photograph by Yukiko Umetsu

1位は広島商業が9回に披露した『宮島さん』。2回戦岡山学芸館と接戦を演じたが、応援でも大きな存在感を残してくれた。

カープも歌う広島商発祥の1曲。

1位/広島商
『宮島さん』

 広島東洋カープが得点時に歌う曲として知られているが、発祥は広島商。生徒手帳にも歌詞が載っており、入学すると校歌や応援歌とともに「必ず覚える曲」のひとつだ。

「宮島さんの神主が 御みくじ引いて申すには 何時も広商は 勝ち 勝ち 勝ち 勝ち」

 原曲は、日本人なら誰もが知っている唱歌『花咲爺』。いわゆる「花咲かじいさん」だ。

 今大会では、高岡商や石見智翠館も得点時に演奏していたが、広島商は9回で同曲を披露。速めで勢いのある得点演奏とはまったく異なり、ゆったりとしたテンポで生徒たちが歌う『宮島さん』は非常に厳かで、間近で見ていて思わず鳥肌が立った。

多様性が増す高校野球応援。

 101回目の甲子園。全出場校を観戦して感じたのは、『サウスポー』や『ルパン三世のテーマ』、『紅』『さくらんぼ』などの根強い定番人気曲が受け継がれる一方で、オリジナル曲を作ったり、他校では使われていない曲をセレクトしたりと、独自色のある応援曲を演奏する学校が増えてきたということ。

 ますます多様性が増してきた高校野球の応援。「音楽の力」で、グラウンドで戦う選手たちを後押しし、独自の進化を遂げる日本ならではのこの吹奏楽文化を、これからも楽しみに見守っていきたいと思う。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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