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香川真司はスペインを楽しんでいる。
サラゴサを「自分のチームにする」。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2019/08/22 20:00
大きなジェスチャーで指示を送るシーンが印象的だった香川真司。ぶっつけ本番ながら開幕戦で勝利に貢献した。
プレースキッカーも任される23番。
テネリフェとの開幕戦では、FWのルイス・スアレスが左のウイングに張り出す変則的な形だったが、香川は新たに作られたトップ下のポジションでプレーした。
FKやCKなど、セットプレーのキッカーも全面的に任されている。開幕戦では後半35分に香川が交代してからPKを得たが、今後はPKを蹴る場面も出てくるはずだ。
とはいえ香川が話すとおり、チームが上手く機能したとは言いがたい。ボール支配率、シュート数、CK、全ての数でテネリフェに負けていた。
そもそも、サラゴサはこの試合で先発した前線の6人中5人が新加入。いきなり素晴らしい連係が生まれるはずもない。
内容が悪くても勝つことが大事。
もちろん香川の頭の中には、サッカーの内容で圧倒して相手をねじ伏せたいという思いがある。
ただ、チームの強化にむけて正しいプロセスが進んでいたとしても、運に見放されて結果を得られずに終わってしまうケースがあると知っている。
前シーズンの勝利が嘘のように、新シーズンに勝てなくて失速する経験を、マンチェスターでもドルトムントでも味わった。逆に結果こそが自信をもたらして、それがサッカーの内容につながることもわかっている。
だからこそ、香川は試合の後にチームの勝利を喜んだ。
「内容的には結構やられていた部分があったし、ラッキーな形もありました。でも、内容がよくても勝てないと意味がないし、内容が悪くても勝っていくことが今は大事だと思っている。
勝ち続けて得られる自信は必要。そのなかで、サッカーの内容を上げていく。その両方にトライしながら、もっともっと成長していきたいなと思います」