ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
G1後に待っていたクライマックス。
鈴木みのるが派手技を解禁した意味。
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph byEssei Hara
posted2019/08/19 17:00
G1落選の悔しさを、オカダ相手にぶつけた鈴木みのる。満員の武道館に「みのるコール」が沸き起こった。
武道館の大歓声が証明する闘い。
試合後、鈴木はマイクを握ると、憎々しげな笑みを浮かべながら、こうアピールし始めた。
「おい、オカダよ。G1にも出させてもらえない俺に負けて、だらしねえなあ! オカダ・カズチカ! そして新日本プロレス! そのIWGPヘビーのベルト、俺によこせ! 新日本プロレスよ、今度はごまかすなよ。今度は逃げるなよ。俺は逃げも隠れもしねえぜ。なんでかっていうと、俺はプロレス界の王だからな」
この鈴木のマイクに対し、武道館を超満員に埋め尽くしたファンから、大歓声とみのるコールが巻き起こった。普段はブーイングを浴びるヒールである鈴木の発言がこれだけ支持されたのは、その発言に見あう闘いを鈴木がしてきたことの何よりの証明だろう。
ロンドンでの“クライマックス”。
鈴木が今年、G1に落選したのは、新陳代謝を促進する新日本において、51歳という年齢がネックになったことは想像に難くない。しかし、鈴木はそんな年齢を超越した闘いでファンを納得させた。そして、G1に出場しないことでその存在感をさらに際立たせ、最終戦ですべてをひっくり返してみせたのだ。
この鈴木のアピールを受けて、オカダ・カズチカvs.鈴木みのるのIWGPヘビー級タイトルマッチが、8月31日(現地時間)イギリス・ロンドンで開催される新日本プロレス『NJPW Royal Quest』で行われることが決定した。
新日本プロレスの真夏の“クライマックス”は、G1後に待っていたのだ。