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G1優勝者・飯伏幸太の仰天プラン。
東京ドーム2日間で2冠獲りを宣言!
posted2019/08/16 17:30
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
29回の歴史を重ねた新日本プロレスのG1クライマックス優勝戦で、飯伏幸太はジェイ・ホワイトをヒザで倒して初優勝した。そして、来年1月4日、5日の東京ドーム2連戦で、IWGPヘビー級王座とIWGPインターコンチネンタル王座に連夜で挑戦するプランをぶち上げた。
飯伏とホワイトのG1優勝戦は8月12日、日本武道館で行われた。飯伏はホワイトの反則攻撃とそのずるがしこい試合運びに苦しんだが、執念のように何度もホワイトに「カミゴェ」という名のヒザを叩き込み続け、ついに31分1秒、3カウントを奪った。
G1優勝旗とトロフィーを手にした飯伏は歓喜の中でマイクを握ってファンに叫んだ。
「これから新日本プロレスは新しい時代に進みます。みんな、一緒について来て下さい」
飯伏は5回目のG1出場で、ついに栄冠を手にした。飯伏は昨年も同じ日本武道館での優勝戦に進むことができたが、棚橋弘至という壁を越えられなかった。
だが、この夏は違った。
マット上。棚橋と飯伏しか知らない会話の中身。
飯伏は8月3日の大阪、Aブロックのリーグ戦で棚橋と当たったが、15分53秒、ヒザ攻撃で見事にフォール勝ちをおさめた。飯伏が「神」とあがめている棚橋の夏を、実質的に終わらせることになった勝利だった。そしてリング上に横たわったまま、儀式のような会話が続いた。棚橋は飯伏に顔を近づけるとささやいた。飯伏はうなずくと棚橋の手をしっかりと両手で握り返した。
私と2人の距離は1メートルも離れていなかったが、そのささやきを正確に聞き取ることはできなかった。
「わかったか……任せたぞ」と言っているように思えた。