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G1優勝者・飯伏幸太の仰天プラン。
東京ドーム2日間で2冠獲りを宣言!
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2019/08/16 17:30
棚橋弘至から言われた「覚悟」を自覚し、ついにG1の頂点に立った飯伏幸太。新日本プロレスの新しい歴史が始まる……。
では、内藤哲也はどう出るのか?
もちろん、飯伏はそのどちらの王者でもないわけだから「絵に描いた餅」に等しいと言ってしまえば、それまでの話ではあるが、発想としては実に面白い。面白いものは面白い。
だが、これを面白く思っていない男がきっといるはずだ。
内藤哲也だ。
現インターコンチネンタル王者である内藤は、2本のベルトを同時に巻くという夢をずっと語って来た。このG1はその内藤の夢を実現に導くための、目的に対する手っ取り早い手段だったはずだが、内藤の夢は優勝戦の前日に断たれた。その瞬間の、内藤ファンのため息は、今でも耳に残っている。
内藤のプランを横取りしたような飯伏の奇想天外な発想は、内藤の気持ちを逆なでするものだろう。
「トランキーロ」「あせんなよ」の内藤も少しは焦ったことだろうか。
でも、内藤がこのまま飯伏のプランに何も反応しないはずがない。飯伏の発想とは別に、内藤が飯伏からIWGPヘビー挑戦の権利証を奪うというプランも1つはあるだろう。
飯伏は権利証の防衛戦の相手としてG1のリーグ戦で勝てなかったKENTAとEVILの2人を指名しているが、そこに内藤が割り込んでくる可能性もある。
内藤は飯伏とのリ・マッチ(再戦)を嫌っていたが、2本のベルトを巻くためなら、すぐにでも戦う用意はあるだろう。
権利証を奪う作戦がうまくいかなかったときには、こんな方法も浮上する。飯伏がもし1月4日にIWGPヘビーのベルトを巻いたときには、その翌日に自身の持つインターコンチネンタル王座への挑戦を受ける条件として、IWGPヘビー級王座も賭けたダブルタイトル戦を要求することだ。
もちろん、新日本プロレスの運営側がこれらの案をすんなり受け入れるかどうかは微妙ではあるわけだが、もし、それらが現実になった時は――2020年1月5日には、飯伏か内藤のどちらかが、同時に2本のベルトを巻くことになる。