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G1優勝者・飯伏幸太の仰天プラン。
東京ドーム2日間で2冠獲りを宣言!
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2019/08/16 17:30
棚橋弘至から言われた「覚悟」を自覚し、ついにG1の頂点に立った飯伏幸太。新日本プロレスの新しい歴史が始まる……。
棚橋から飯伏に伝わった、大事なもの。
「飯伏もこの1年間苦しんだんだろうな」と棚橋は飯伏を称えた。
飯伏は、8月10日のAブロック最後のリーグ戦ではIWGP王者オカダ・カズチカをも25分7秒、ヒザで仕留めている。
新日本プロレスの象徴的な2人を倒しての優勝戦進出は、飯伏のレスラー人生の中でも特別な価値を感じられるものだったはずだ。
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「G1は過酷ですが、ボクは去年からこの日を待っていました。どうにか、つかみ取ることができました。でも、こんなにまで頑張らないと、つかみ取ることができないものなのかと、よく分かりました。今までも、分かっていたつもりだったけれど、分かっていたようなフリをしていたのかもしれない」
飯伏は以前、棚橋に言われた「覚悟」についても語った。
「ボクの中では、ずっと“覚悟”があったつもりだったんですよ、さっきも言ったように。今、こうやって分かったのは、そう思えばあの時は、そういうつもりだったのかなって。今はでも、それが確信になっています。今は本当に覚悟しています。これからも変わらない」
飯伏がぶち上げた、画期的なプランとは?
現在のIWGPヘビー級の王者は、オカダ・カズチカだ。
オカダは8月31日にロンドンで鈴木みのるとの防衛戦が待っているが、王者がだれであっても2020年1月4日に東京ドームでIWGPヘビー級王座に挑戦する権利を手にした飯伏は「もちろん、その権利を行使する」と宣言した。
さらに飯伏がぶち上げたのが、その翌日1月5日に「IWGPヘビー級王者」として、飯伏が愛着を感じている「IWGPインターコンチネンタル」のベルトに挑戦するという計画だった。
2つのベルトは確かに格が違う。新日本プロレスの歴史的にもIWGPヘビーが一番のタイトルであることは変えようがないし、否定することもできないし、そう位置づけされている。
セコンド・タイトルのインターコンチネンタル王者がIWGPヘビー級王座に挑戦するなら理に適う行為だが、逆は普通ではあり得ない。それを「愛着を感じている」という論理だけで成し遂げようというのだ。