濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
日米メジャー2冠達成! 堀口恭司が
“自力”で築く唯一無二のキャリア。
posted2019/08/14 11:40
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Norihiro Hashimoto
今、日本の格闘技界は10数年ぶりの黄金時代を迎えている。K-1のビッグマッチがインターネットのAbemaTVで若年層に人気となり、地上波ではMMAを中心とするRIZINが定着しつつある。
もちろん、量=人気の面ではまだ発展途上。地上波3局で大晦日イベントが中継されたK-1・PRIDE全盛期には及ばない。だが質の面では現在の日本のほうが上ではないか。
軽量級への偏見を完全に払拭した新生K-1を牽引する、3階級制覇の武尊。
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RISE王者の那須川天心はムエタイ王者をKOし、RIZINにキックボクシング部門を確立させた。昨年大晦日には、エキシビションとはいえフロイド・メイウェザーとの対戦が実現した。
RIZINでは浜崎朱加も、女子MMAの世界トップファイターとして尊敬を集める存在だ。
RIZINのグレードを上げた“世界のホリグチ”
そして“日本格闘技・新黄金時代”を代表するもう1人の重要人物が、堀口恭司だ。
修斗でキャリアをスタートし、世界タイトルを獲得するとUFCへ。フライ級で最高3位にランクされ、タイトル挑戦経験もある。
2017年からはRIZINに参戦。“世界のホリグチ”が上がるリングとして、RIZINはそのグレードを高めることになった。「堀口と闘いたいからRIZINに出る」という選手も少なくない。
RIZINでは最初の数試合で圧倒的な実力を見せ、バンタム級に階級を上げることに。それでも世界トーナメントに優勝すると、昨年大晦日にはUFCに次ぐアメリカのメジャー団体ベラトールのチャンピオンであるダリオン・コールドウェルに一本勝ちしてみせた。
さらに今年6月、コールドウェルとのリマッチを敵地=ベラトールのニューヨーク大会(マディソン・スクエア・ガーデン)で敢行。試合運びの妙もあって判定勝利を収め、ベラトールのベルトを巻いた。RIZINとの2冠達成であり“北米メジャー”タイトル奪取という偉業だ。
テレビ中継でのキャッチフレーズは“史上最強のMade in Japan”。
黎明期のレジェンド・桜庭和志に対し、こちらはMMAが競技として確立された時代の中で抜群の“国際競争力”を誇る。