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仙台育英に漂う悲願達成の気配。
7、8、9回の強さが支える安定感。

posted2019/08/14 14:10

 
仙台育英に漂う悲願達成の気配。7、8、9回の強さが支える安定感。<Number Web> photograph by Kyodo News

初戦は圧勝、2戦目は接戦。2つの強さを見せた仙台育英はどこまで勝ち上がるだろうか。

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氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

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Kyodo News

 圧勝の展開からミスを皮切りに1点差まで迫られたというのに、やけに落ち着いて戦っていたのが印象的だった。

 仙台育英が8−5で鳴門を下して、3回戦進出を決めた。序盤の大量リードから一転、1点差まで詰め寄られたものの、再び突き放して試合をものにしたのである。

「前半に点を失っても、ゲームの流れの1つだと思ってプレーしているので、一喜一憂しないで戦えているのだと思います」

 仙台育英の指揮官・須江航監督は確かな手応えをかみしめていた。

圧勝の予感から一転、接戦へ。

 この日の仙台育英は、1回表に4点を先行する電光石火の攻撃でまず優位に立った。

 1回表、1番の中里光貴が鳴門の左腕エース・西野知輝を捉えて、左翼線二塁打で口火を切ると、無死一、三塁から併殺打の間に1点を先制。2死となったものの、4番の小濃塁が右翼スタンドにソロ本塁打を運んで打線を再点火させると、そこから3連打でさらに2点を追加。

 4回表にも中里のタイムリーなどで2点を追加し、6−0とリードを広げた。

 仙台育英は1回戦の飯山戦で20得点を挙げており、この日も一気に相手を圧倒していくのではないかという空気すら感じさせた。

 しかし、それが暗転する。

 4回裏、鳴門の先頭の車谷幹太のショートゴロを、遊撃手の入江大樹が弾いてしまう。続く3番・田口の犠打が内野安打になり、そこから鳴門打線が一気呵成に攻め込ん。4番・浦和博を皮切りに4本の安打を連ねて5得点を挙げた。

 追いすがる鳴門の勢いは、終盤の逆転劇を想像させた。

【次ページ】 仙台育英を支える終盤の異様な強さ。

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