プロ野球亭日乗BACK NUMBER
佐々木朗希の登板回避が示すこと。
球数制限と日程変更は絶対に必要。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byAsami Enomoto
posted2019/07/26 16:30
準決勝では完封勝利を挙げた佐々木朗希。その翌日が決勝でなければ……。
予選を6月の頭からにすればどうか。
その中でどう投手をやりくりしていくか。闇雲にエースをマウンドにあげる監督もいる。1、2回戦は控え投手を使っても、準々決勝以降はやっぱりエース頼りという高校もある。もちろん複数投手を揃えて連戦を勝ち抜こうという強豪校もある。
何れにしてもこのハードスケジュールをいかに乗り切るか。熱中症など選手の健康面も含め、それが高校野球の大きな命題となっていることは明らかなのだ。
それならどうすればいいのか?
実は解決策はある意味、簡単である。
そうはならない日程を作ればいい話なのだ。試合と試合の間は少なくとも中4日は空ける大会スケジュールを最初から作ればいいだけである。
予選を6月の頭から始め、毎週末にこなせばいい。選手に経験を積ませたいなら、いっそのこともっと早くスタートして、最初は地区ごとにリーグ戦を行ない、勝ち上がったチームで決勝リーグ戦でもトーナメントでもやればいい。
春の大会を見直してみては。
そのために甲子園には直接的には結びつかない春の大会は縮小するか、無くしてもいいではないか。
準々決勝からは必ず中4日以上で3試合を消化するには2週間あれば十分だ。予選を6月から行えば土日で計8日、試験期間を除き7月第2週から再開すれば、月末までに30日近い日程が確保できる。
決して不可能ではないスケジュールで、そうなれば、球数制限と併用すればエースを投げさせるか、回避させるかという悩みも大幅に解消されることになるはずで、佐々木も決勝のマウンドに立てたはずなのである。