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中村剛也は特異な大スラッガー。
他の400本塁打達成者よりも凄い!? 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byKyodo News

posted2019/07/29 08:00

中村剛也は特異な大スラッガー。他の400本塁打達成者よりも凄い!?<Number Web> photograph by Kyodo News

サヨナラアーチで通算400本塁打を決めた中村剛也。日本プロ野球史に残るアーチストなのは間違いない。

最近目立つ「右方向の本塁打」。

 中村剛也は「ホームランを打つ技術がある」と言われる。その技術を駆使して昨今の「フライボール革命」よりも前からホームランを量産してきた。

 中村は比較的体の前でボールを捉えるが、そこから一段ぐっと押し込むように力を加えることで、ボールに飛距離を与えるという。この「技術」があったから、ボールの反発係数が落ちても、飛距離が落ちなかったのだ。

 最近目立つのは、反対方向に本塁打が増えていることだ。ここ5年の中村の着弾方向別の本塁打である。

<ここ5年の中村の本塁打方向>
2015年:左29本 中3本 右5本
2016年:左15本 中3本 右3本
2017年:左20本 中5本 右2本
2018年:左17本 中2本 右9本
2019年:左7本 中2本 右8本(※7月25日現在)

 ここ2年、右翼席に運ぶ本塁打が急激に増えている。本人は「振り遅れをホームランにすることができるようになった」と言っているが、「ホームランの技術屋」中村は、新たな技術を身に着けつつあるのだろう。

山川の活躍に刺激を受けたのでは。

 西武では、山川穂高というスラッガーが急速に台頭している。

 私は毎年、日南市南郷の西武キャンプに出掛けるが、一塁でノックを受ける中村と山川は、背番号を見なければほとんど見分けがつかない。打席での構えもそっくりだ。中村の175cm・102kg、山川の176cm・108kgという体型も含めて、よくもここまで似たタイプの選手がそろったものだと思う。

 今の山川は昔の中村同様、プルヒッターである(※2019シーズンの本塁打は7月24日時点で左25本、中3本、右2本)。中村は、左翼席にぽんぽんと打球を放り込む後輩・山川の活躍に大きな刺激を受けて、新しいステージへと進化したのではないか。

【次ページ】 将来、殿堂入りするかどうか注目。

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