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3年ぶりに渡嘉敷来夢が戻ってきた。
女子バスケ代表にもたらす2つの成長。
posted2019/07/27 11:30
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
AFLO
1年後に控える東京五輪で悲願のメダル獲得を目指す女子バスケットボール日本代表に、頼もしい大黒柱が戻ってきた。2016年リオデジャネイロ五輪でベスト8入りの原動力となった渡嘉敷来夢(JX-ENEOS)が、実質3年ぶりに代表復帰を果たした。
「この(代表の)コートに立てていることが幸せ。今は合流したばかりなので、みんなに追いつくことにフォーカスしているけど、いずれはこのチームを引っ張っていかなければいけないと感じています」
合宿の公開日となった7月中旬のトレーニング後。渡嘉敷は、実力者としての自負を力強い響きに乗せながらそう言った。
リオ五輪後の'17年夏はWNBA(米国女子プロバスケットボールリーグ)のシアトル・ストームでプレーし、昨年は代表候補の大枠には入ったがケガの治療を優先してワールドカップ出場を回避した。そして今年も、6月まではコンディション回復に時間を費やしてきた。元々、渡嘉敷は'12年に手術した足首に古傷を持つ。さらに'15年からはWNBAにも参戦しており、リーグに代表にWNBAにとフル稼働。体を休めてケガを回復させるための時間が必要だった。
成長著しい女子バスケ代表。
一方で、女子日本代表は、渡嘉敷が離れていた間にも確実な成長を見せてきた。
'17年に女子アジアカップ(インド)で3連覇を果たし、'18年女子ワールドカップ(スペイン)に出場。今年の5月31日、6月2日に行われた女子ワールドカップ4強のベルギーとの強化試合で2戦全勝した。リオ五輪で出番を得られずに悔しい思いをした選手や新たに台頭した若手がどんどん伸びていたのだ。
メダルを狙う素地を築き上げつつある日本代表。そんな上昇ムードの代表チームに久々に戻ってきた渡嘉敷だが、余計な気負いも、気後れもない。それは、代表を離れていた2年間で成長した部分があると自認しているからだろう。
渡嘉敷自身が挙げる成長箇所は「3ポイントシュート」と「フットワーク」だ。