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3年ぶりに渡嘉敷来夢が戻ってきた。
女子バスケ代表にもたらす2つの成長。
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byAFLO
posted2019/07/27 11:30
WJBLでは2018-19シーズン、1試合平均18.41得点(リーグ2位)10.23リバウンド(同2位)と好成績を残した渡嘉敷。
リーグ屈指の“161cm”との特訓。
そこで所属のJX-ENEOSで取り組んだのが、身長161cmと小柄な岡本彩也花との1対1だ。
「岡本はリーグでも結構なスピードとフットワークのある選手なので、彼女を守れたら他の選手に対しても守れるし、それができれば無敵になる。そう思ってお願いして、1対1の守備練習をしていました」
JX-ENEOSのコーチから「守備のときは、ついているマークマンより体勢を低くしろ」と言われたことも効いた。体を低く構えることを意識するようになってから、相手に抜かれなくなったという。
「あとは、マークする相手が小柄なガードにスイッチしたときに、チャンスと思われるのがいやだったんです」
負けん気の強い渡嘉敷らしくそう言い、「2年前よりもフットワークは伸びていると思うので、大きな選手にも小さな選手にもついていけます」と胸を張った。
楽しいという感覚が「一番伸びるとき」
今後は8月24、25日に東京五輪のテストイベントとして行なわれるチャイニーズタイペイとの国際強化試合を経て、9月にインドで開催されることが決まった女子アジアカップで4連覇に挑む。
「大会に出てそこでアピールしたいですね。世界との戦いもそうですが、見ている人に“やっぱり渡嘉敷がいると違うな”と言ってもらえるようにしたいです」
外から見ているときの日本代表については、「リオ五輪のときよりもレベルが上がったのかなと感じている」と分析し、シュート力が上がっていると指摘する。その中で、自分がコートに立ったときに何ができるか。
「これまでは、気持ちよりも先に体がついて来なくなったりもしました。今、バスケをやっていて楽しいし、こういう気持ちは久々です。こういうときが一番伸びるときだと思うので、また自分伸びるのかなと思っちゃっている自分がいます」
東京五輪1年前の復帰。今、渡嘉敷はリオ五輪で届かなかったメダルを目指すための道を歩もうと覚悟を決めている。
「ここからは自分が集中してどれだけできるか。やるからには負けたくありません。もう、代表から抜けられないですよ」
茶目っ気のある笑みが広がった。