「アンビシャス部門」での将来像。

　子供は社会の宝――。

　一般論で、よくそう称される。

　なかなか子供たちと交わる機会が少ないプロ野球選手も、同じ思いで日々を送っている。そして、そんな小さな声援が力になり、力にしている。他11球団の選手たちも、同じだろう。

　最後に、今回の「キッズお絵かきコンテスト！」の「審査員特別賞」の1作品を紹介する。食堂からロッカールームへと続く通路に掲出され、皆が足を止めて目に焼きつけていた1枚である。

　今年のコンテストは部門を2つに分け、大志を記す「アンビシャス部門」で応募していた。「将来の夢」を表現することが、1つのテーマだった。

　本間ひなたちゃん、8歳。夢は「おいしゃさん」。

　女医になり、ピースサインをしている自らの将来像を描いていた。

　吹き出しには「しょうらいのゆめがかないました！」と、ある。その理由が、添え書きしてあった。

「パパは目がびょうきで見えないので、目をなおしていっしょにファイターズのしあいを見たいです」

　何人もの選手が、言葉を発することなく、じっと見入っていた。大田選手は、そっとサインを寄せていた。子供たちから、いつも背中を押してもらっている。