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優勝したジョコすら羨むテニス人生。
37歳のフェデラーは走り続ける。
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byGetty Images
posted2019/07/16 11:50
過去、ウィンブルドン決勝で2度フェデラーを破っているジョコビッチ。2人の激闘は、当分の間、続きそうである。
フェデラーの<10年>のクオリティの高さ。
通算16回目のグランドスラム優勝を遂げたジョコビッチは言う。
「ロジャーがあの年で続けている努力には刺激を与えられている。僕があと何年やるかなんて約束はできないし、そんな義務もない。でも第一に楽しみながら、家族や周りとのバランスをとりながら戦うことができる限りがんばるということだけ。
今のロジャーの年になる5年のうちには、今日聞いたようなロジャー・コールを僕に対しても聞きたいと思う」
フェデラーが挑む<10年>のクオリティの高さは、年下のライバルの生き方にも刺激と指針を与えている。完全復活した3強時代はいつまで続くのだろうか。
「今は辛いけど、あとで振り返ったら良かったなと思えることもある。気持ちを切り替えて前に進むのは得意なほうなんだ。すばらしい試合をいつまでも悔やんでいたくないからね。自分のテニスのレベルには今も満足している」というフェデラーの言葉を聞けば、「まだ相当長く」と答えるしかない。