酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
村上宗隆が挑む史上初の偉業って?
2019プロ野球後半戦、気になる記録。
posted2019/07/14 17:00
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Nanae Suzuki
日本でもアメリカでも、プロ野球のペナントレースはオールスター前を「前半戦」、それ以降を「後半戦」と呼ぶ。
しかし、オールスター直前の段階で、試合消化は5割をかなり超えている。そろそろシーズンの勢力図は固まりつつある。
このタイミングで、現時点の「気になる記録」をいくつか挙げておきたい。
高卒2年目にして開花中の村上宗隆。
<ヤクルト・村上宗隆、戦後で史上初の「10代の打点王」なるか?>
ヤクルトの村上宗隆が、前半戦終了時点で「63打点」。巨人の坂本勇人と並んでいる状況なので予断は許さないが、村上は高卒2年目というのだから驚きである。
高卒2年目での打点王となれば、1953年、西鉄ライオンズの中西太以来、史上2人目。中西は1933年4月11日生まれだったから、タイトルを取ったときは20歳だった。ただし2000年2月2日生まれの村上宗隆は、シーズン終了時点で19歳。戦後で史上初の「10代の打点王」の期待がかかる。
この世代では日本ハムの清宮幸太郎が圧倒的な注目度だったが、村上は今季、サードの川端慎吾、ファーストの坂口智隆の故障による出遅れがあったため、一、三塁で起用され結果を出した。打率こそ.230台と低いが、自由に打たせてもらっているイメージだ。
また30本塁打に到達すれば、高卒2年目まででは1953年の中西太(36本)、1986年の清原和博(31本)についで3人目。
今季は100打点の期待もかかるが、高卒2年目で100打点も史上初となる。厳しい夏場に差し掛かるこれからが大変ではあるが、大いに期待したい。