さらば番長…「現役時代と監督時代、どっちがきつかった？」三浦大輔が語ったDeNAでの濃密な5年間「これからはファンの方々と同じ気持ちで」

「当たり前のことを当たり前にできるチーム」へ。そのために三浦大輔が意識づけていったのは、ごく小さなことからだった。

“オール横浜”となるため

　例えば、全体ミーティングでは選手やスタッフに「ベイスターズに関わる人すべてに挨拶をしよう」と説いた。

「トレーナーやマネージャーなど近い関係者ばかりでなく、横浜スタジアムのスタッフや守衛さんとか、とにかくベイスターズに関わるすべての人に気持ちのよい挨拶をすれば、そこに仲間という意識が生まれて、絶対にベイスターズを応援してくれるはずだって」

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“オール横浜”で戦うことの大切さ。また、とくに選手たちには常に「ベンチを見て戦うのはやめろ」と、伝えてきた。

「エラーやサインミスをして、監督やコーチが怒っているんじゃないかって、ベンチの顔色を窺いながらグラウンドに立ってほしくなかったんです。俺たちは味方だよ、同じチームなんだ、と。反省はゲームが終わってからにして、俺たちは今、誰と戦っているんだ、という同じ方向を見させる必要がありました」

　敵は内ではなく外にある。昨年の日本シリーズで三浦は「ミスは忘れろ」と、短期決戦においてあってはならない“ミス”を逆手に取り選手たちの奮起と大胆さを促したが、こういった人心掌握のマネジメントでは細心の注意を払っていた印象が強い。

24年の日本シリーズでは連敗スタートから逆襲。そこには細心のチームマネジメントがあった　©Naoya Sanuki

選手とのフランクな距離感

　また三浦が監督として特徴的だったのは選手との距離感だろう。積極的に自分からコミュニケーションをとり、監督室のドアはいつ誰が来てもいいように開いていることが多かった。

「就任当初は理想とする監督像とか聞かれましたが、まあ自分らしくやれればいいのかなって考えていました。もし理想に決まりがあるのならば、俺じゃなくてもいいと思っていましたからね。だからふんぞり返っているのも嫌でしたし、こういう監督がいいよなって感じです。ただ、選手から監督には話しかけづらいので、こっちから話しかけたりね。まあ世間話が多かったですけど」

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