球体とリズムBACK NUMBER
マリノスのアイドル天野純の旅立ち。
ベルギー2部で英雄になり殻を破れ!
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/07/11 11:15
“虹をかける”とも表現されるキックセンス。天野純にはベルギーの地でも鮮やかな軌道を描いてほしい。
喜田「背中を押すだけだった」
同僚の喜田は「あの人の夢はずっと聞いてきた」と話す。「逆に、チームに対してどんな想いでやってきたのかも、一番近くで見てきたからわかっている。(天野の移籍は)チームにとってはもちろん痛いけど、そういうのを見てきた自分としては、背中を押すだけだった」
優勝争いをするチームから、2部リーグへの移籍──。それでも挑戦には変わりない。かつての本田圭佑のように、2部でも絶大な存在感を放つことができれば、道は開けるはずだ。
その時には、たくましさを身につけた英雄の風格が漂っているかもしれない。
「人間としてもひとまわり成長できるように。英語が喋れるようになったらかっこいいし」とおどけた天野は七夕の日に日本を発った。今頃、ベルギーの街で様々な刺激を受けていることだろう。
「ベルギー、行ってきまーす」とアイドルのようにファンに別れを告げた彼の、殻を破るための挑戦の日々が始まった。