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安西幸輝が1年半で得た野心と愛情。
「鹿島のこと好きになっちゃった」

posted2019/07/10 18:00

 
安西幸輝が1年半で得た野心と愛情。「鹿島のこと好きになっちゃった」<Number Web> photograph by Getty Images

安西幸輝は鹿島を背負ってポルトガルに飛ぶ。内田篤人のように、いつか故郷に錦を飾るために。

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寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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Getty Images

 7月に入った途端、鹿島アントラーズに所属する選手たちの欧州移籍に関する情報が、スポーツ紙を中心に報じられるようになった。

 その1人、安西幸輝のポルトガル・ポルティモネンセ移籍が7月9日クラブから発表された。

「シーズン途中に抜けてしまうことに関しては少し悩みましたが、3年後のW杯にスタメンで出場するという自分の目標があるので、そのためには海外で揉まれて、ステップアップしなくちゃいけない。24歳という年齢を考えても、これがラストチャンスだと思った。ひと握りの選手しか手にできないチャンスを無駄にはできない」

 同日、クラブハウスで取材に応じた安西はその決意を語った。念願の海外移籍が叶った形だが、決断を下した直後には不安もあった。

「またゼロからのスタート。しかもポルティモネンセで試合に絡まないと、行った意味がない。そこが一番不安ですね。だけどポルティモネンセは、試合に出て活躍して、いいチームからオファーがあれば、行かせてくれると言ってくれました。ステップアップに使ってくれと。そのためにも、まずはポルティモネンセのために仕事をしたい」

「自分を過大評価していた」ヴェルディ時代。

 1995年に埼玉県川口市で生まれた安西は、小学生4年のとき、東京ヴェルディジュニアのセレクションを受け合格する。ジュニアユース、ユースで活躍し、2014年に見事トップチームとプロ契約を結んだ。

 ルーキーイヤーからレギュラーとしてプレーする中で、「ヴェルディをJ1に昇格させたい」という想いと同時に「もっと上のレベルでやりたい」という欲が芽生えていく。

 そんなとき、後輩の三竿健斗が鹿島へ移籍した。悔しさと同時に、「自分を過大評価していた」ことにも気づかされた。プロ4年目の2017年シーズンには生活をイチから見直し、意識を変えた。

 そして2018年、鹿島からのオファーが届いた。他クラブからの誘いもあったが、鹿島の一員になる魅力は大きかった。J1でのプレーだけでなく、その先の日本代表入りを考えれば、迷いはなかった。

【次ページ】 同ポジションの選手獲得を希望した理由。

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